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柳也が絵を描いたり小説を書いたりゲームレビューしたり日常のことをぼやいたりしています。
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バレンタイン小説が書けました。
カップリングはガラハド×ヘイトです。いや、ガラハド→ヘイトか?(どっちだ)
フリー配布しておりますので、ご自由にお持ち下さい。

あ、BL描写が御座いますので、ご注意下さいませ~

「ガラハド、此れ作れ」
 そう言ってヘイトがガラハドに突きつけたのは、一冊の本。
突然の事に驚きつつ本を受け取って読んでみると如何やら内容はローザリア地方の菓子の作り方の様で、ガラハドも慣れ親しんだ菓子が幾つも載っている。その中で水色の栞の挟んであるページを捲って見ると、甘みの強いミルクチョコレートを使ったガトー・ショコラの作り方が載っていた。
 始まる攻防(口上のみ)。
「作れと言ったって、一体何処で」
「宿の厨房を借りろ」
「材料が無」
「買って来い。まだ日は高いから店屋も開いているはずだ」
「大体如何して俺に」
「先に皇女や娘に言ったが、書いてある言語が分からんから作れんそうだ。グレイや海賊が作れるはずも無いからな。お前はローザリア人だから書いてある事が理解できるだろう」
「断ったら」
「ヘルファイアとインジャリーをくれてやろう」
 撃沈。
「分かった、作ってやるよ。……味が不味くても文句言うなよ」
 ガラハドの苦笑交じりの言葉にヘイトは腕を組み、
「このわしが食べてやるのだ、不味い物は許さん」
 あっさり一言。
 ガラハドは頬を引き攣らせながら材料を買いに行くことしか出来なかった。
 
 
「ほら、出来たぞ」
 宿の食堂で本を読みながら待っていたヘイトの前に、白い皿が置かれる。その上には八分の一にカットされたガトー・ショコラがちょこんと鎮座しておりてっきり一ホール全部食べられると思っていたヘイトは文句を言うつもりでガラハドの方を向き――爆笑した。
「そんなに笑わなくても良いだろう……」
 ガラハドがずーんと重い空気を背負って嘆くが無理も無い。
 誰だって目の前に「胸元に可愛いひよこの絵がプリントされたピンクのエプロンを着けた間違っても女性的とは言えない大柄な成人男性」が居たら笑う。指差して笑う。
 数分ほど笑った後、ヘイトはそもそもの目的を思い出しガラハドの方を向く――とまた暫く爆笑の渦に飲まれそうなので視線は逸らし、先程感じた不満をぶつけた。
「量が少ない」
「此れを食べたら追加してやるよ。まぁ食べてみろ」
 上手くいったと思うんだが。と言うガラハドの言葉通り、目の前のガトー・ショコラはクリスタルシティの一等地にある菓子屋に置いてあっても何等可笑しくない程に美味しそうな外見をしている。鼻を擽る匂いも香ばしく甘いチョコレートの香りで、それに食欲中枢を大いに刺激されたヘイトはフォークで大きめに切ったガトー・ショコラを口に運び、咀嚼し、飲み込み、一言。
「ほう、ひよこ頭の癖にやるではないか」
「髪型は関係ないだろう。……その様子だと口に合ったようだな」
 愛想の無い口調とは裏腹にヘイトは(彼にしては本っ当に珍しく)機嫌の良い笑みまで浮かべてガトー・ショコラを食べ進む。ガラハドが次のガトー・ショコラを皿に切り分け渡そうとした瞬間その手から引ったくりまた食べる。そんな事を三回ほど繰り返した後、不意にヘイトが何かを思い出し、ガラハドに語りかけた。
「そう言えば、今日はチョコレートを食べる日なのだろう?」
 言われてああ、と思い出す。
 アムトの祝日。今日は確かアムト教の祭りで「チョコレートと共に愛を伝える日」という日のはずだ。気付いてヘイトの顔を良く見てみるも、ヘイトは相変わらずガトー・ショコラを美味しそうに食べているだけで「愛を伝える」の部分に関しては全く気付いても……
「しかし人間は妙なことをするものだな。態々祝日など作らずともチョコレートを食す行為が禁じられてる訳でもあるまいに」
 訂正、元々知らなかったようだ。
 そんなヘイトを微笑ましく思いつつ、ガラハドの胸に苦いものが込み上げる。
 もしヘイトが今日という日の正しい意味を知っていたら、ヘイトは自分の思いに気付いただろうか?或いは彼自身の自分に対する気持ちを聞けただろうか?と……
「ガラハド、どうした?」
 ヘイトがガラハドの様子をいぶかしみ食べる手を止めて声をかけてくる。それに何でもないと答えようとし――ガラハドはある事を思い出した。
「ヘイト、知ってるか」
「何をだ?」
 分からない、と言いたげなヘイトの表情にガラハドは笑みを浮かべて息がかからんばかりに顔を近づけ、
「今日チョコレートを贈られた者は、一ヵ月後にその対価を三倍にして返さなければならないんだ」
 そのまま、唇を重ね合わせた。
 
 
――俺の思い以上のものを、お前の全てで返してくれよ?
 
 
薄らと甘い味が、舌先に広がって溶けた。




ヘイトが子供だとか言う以前に、ガラハドが黒い!!
某様の日記で血を流して罵倒するガラハドを見てから、柳也の中で黒ガラハド熱が沸々と湧き上がっています。某様申し訳御座いません。
一ヶ月後のヘイトがどうなるかは分かりません。リーダーの影も形も有りません。
ってか一気に書き上げたら何かキスまで行ってしまった…そんなつもり無かったのに;


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プロフィール
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柳也
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非公開
職業:
多分人類
趣味:
妄想とゲーム
自己紹介:
【此処の管理人の生態】
・画材を買い漁るのが最早生きがい
・青を筆頭に鮮やかな原色系の色が好き。宝石の色に憧れ中。
・見れる絵を目指してデッサンを模索中


【サイトの案内】
・メインはロマサガとミンサガ……の筈
・だが何より多いのは俺の駄目すぎる日常
・捏造だけのサイト
・嫁は旧ヘイト、婿は赤魔さん
・最早うちのグレイは止まらない
・ガラハドへの差し入れは養毛剤で
・FVロマサガ2のロナルドに萌えた
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